lolopochi




 
bottecchia
■ Bottecchia Equipe nero / はじまりのロードバイク ■
“私のはじめての自転車" をイタリア語では “La mia prima bicicletta" と言うみたいです。なんだかステキな響きの気がしますよね。
この自転車は、ボクがはじめて乗ったイタリアン・ロードバイク。購入当時の1990年頃にはロードレーサーと呼ばれていて、クロモリ製のフレームが一般的でした。じつは、子供の頃から憧れていたハートマークの自転車を購入するためにお店に行ったはずが、なぜかこちらを選んで注文していました。店頭にあった"Bottecchia"の放つオーラに目が眩み、すっかり目的を忘れていたのです。
美術工芸品のように光り輝くその存在感は、まるでイタリア文化の芸術性をその身にまとっているかのように圧倒的でした。

Canon EOS Original Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Corsa Record & Record 8s
 
 
( Dec.21
A-001
2011:)
 
bottecchia
■ Bottecchia Equipe rosso / イタリア生まれの自転車 ■
この赤い“Bottecchia"は、まるで子犬や子猫の里親を探すようにしてボクのところへとやってきました。ちょっと運命的なカンジ。
オークションサイトなんて誰も知らない頃、専門誌で希望者を募った持ち主の方が直接各人と電話で話された結果、思いの丈を熱く語ったボクが譲り受けることに…。イタリアを訪れた際に、現地で組上げてもらった思い入れのある自転車ということでしたが、結婚を期に手放されたようです。ホイールを組替えパーツをグリーンへと換装、ビビッドなイタリアン・カラーに仕上げました。
落葉ふり積もる秋の終わり、重く寂しげな鉛色の濃淡に囲まれてこそ、その鮮やかさが解き放たれる瞬間を感じました。

Minolta Xt Synthotic Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Record 8s
 
 
( Dec.21
A-002
2011:)
 
DE ROSA Giro d'Italia
■ DE ROSA Giro d'Italia / この旅から始めよう ■
自転車と一緒に「どこか“南の島”へ旅立ちたいなぁ…」なんて、人生の節目といえるような時期にそんなことばかり考えていました。
あまりコギレイな自転車ではキズが怖くて輪行もできませんので、安価なスティール・フレームを探していました。そんな時とあるお店で、売れ残りの処分品となったこのフレームと出会ったのです。それは、過去に一度裏切ってしまったあのハートマークの自転車でした。キズが怖いのは解消されませんでしたが、コーラルリーフのように青い"DE ROSA"で南の島を堪能してまいりました。
比較的廉価なチューブのBRAINで組まれていますが、自分の乗ってきたクロモリの中では一番楽しい走行感かもしれません。

Canon EOS Original DE ROSA Giro d'Italia, Columbus BRAIN tubing / Campagnolo Chorus 9s / NUCLEON
 
 
( Dec.28
A-003
2011:)
 
Colnago Special Krono
■ 1991 / NYにて ■
メッセンジャーを題材としたケビン・ベーコン主演の映画「Quicksilver」が公開されのは1985年… もう随分と昔のことです。
その6年後、ボクはNYのStreetでファインダー越しの光景にひとり興奮していました。“COLNAGO"のファニーを駆る黒人メッセンジャーに街角で遭遇し、すっかり心を奪われてしまったのです。黒人音楽に傾倒していたボクにとって、これは反則技ですよね。エクタクロームのEPPを使用し、単焦点28mmで撮影。業務用ドラムスキャナーにて35mmのポジを超高解像度でデータ化しました。
拡大してみると粒状の細かい斑が見て取れて、まるでレコード盤のノイズを視覚化したような感覚です。青春だったなぁ。

Nikon F601 Original COLNAGO Special Krono, Columbus SL tubing / Campagnolo Corsa Record
 
 
( Dec.28
A-004
2011:)
 
Tommasini Diamante
■ Tommasini Diamante / 流れる星屑のように〜 ■
自転車は “斜め後" からのアングルに、グッと来る人が多いのではないでしょうか?パースの付き方がなんとも魅力的なんですよね。
ボクはこの撮影場所が好きで、自転車写真のほとんどはココで撮っています。木の葉越しの陽光が被写体をそっと包み込む、なんとも優しい空間なのです。アングルも場所も気に入ってしまうと“そればかり"になって、我ながらちょっと残念な気もします。でも自転車は"鉄ばかり"になっても残念ではありません。そのビジュアルや走行感は、わがままな感性をココチよく満たしてくれるのです。
ところで、壁面にある自転車の軌跡を描くような黒点ですが、実はこれ虫の残骸。サナギとかなんかそうゆうのなのです。

Canon EOS Retouching Tommasini Diamante, Columbus MS tubing / Campagnolo Record 10s & C-Record / NEUTRON Carbon
 
 
( Jan.06
A-005
2012:)
 
bottecchia
■ Bottecchia Equipe nero / 形状と脳内イメージ ■
“斜め前”から撮った自転車… う〜んど〜でしょ? カッコイイんですけど、どうも後ろ姿から受ける可憐な印象とは程遠いカンジです。
自転車を前方から眺めますと、パースの関係で進行方向に広がる図形となります。 これはスローピングフレームの視覚的イメージと同様の逆クサビの状態ですが、そこらへんに前方視点からの構図に好ましくない特性があるのでしょう。ロードバイクは “軽快に疾走” するイメージだと思いますが、進行方向に広がるあの「逆クサビ形」は、そのイメージの足かせとなる "記号" なんだと思います。
そうそう、クロモリ〜っ!! ってコダワリもってる方々は、ホリゾンタルのフレームにしか興味なさそうですよね〜。

Minolta Xt Original Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Corsa Record & Record 8s
 
 
( Jan.10
A-006
2012:)
 
DE ROSA King
■ DE ROSA King / Picnic of 100miles ■
突然ですが、クロモリなどのスティール系を中心とした当サイトでは反則技のスローピング炭素系、アスリートな黒いヤツの登場です。
スローピング・フレームの美しさは、レースに勝つために相手を威圧する“力強さ"が根底にあるのではないかと思います。この炭素系バイク、自分の中では“速さ"を求めた自転車なのですが、このアングルから感じられるイメージは“力強さ"ではないでしょうか? メンタルが重要な勝負の世界では不可欠なビジュアル戦略なんだと思います。ボクには誰かと競うための強さなんて必要なさそうです。
センチュリーライド前日、宿泊中の高層ホテルの一室にてセッティングを完了。明日の走りに思いを馳せながら… パシャリ。

RICOH GX8 Original DE ROSA King, Mizuno CARBON tubing / Campagnolo Record 10s / Eurus G3
 
 
( Jan.11
A-007
2012:)
 
DE ROSA King
■ DE ROSA King / 神様お願い! ■
絶えず高速で走行するためのロードバイクに組み込むパーツは、ひとつひとつが信頼できるハイスペックなものを厳選したいですね。
乗り越えられないほどの困難に心が折れそうな時、ヒトはもう神に祈るしかありません。ロードバイク走行中そんな場面に遭遇すると、組み込んだパーツひとつひとつの存在理由が、あたかも神々の伝説や神話のように感じられるかも知れません。そこで得られる安心感は、困難に打ち勝つための強固な精神的支えとなるはずです。いわば、信頼を寄せるパーツ全てに神々が宿っているのです。
“八百万の神々”宿りし依り代としての存在…、それがスポーツ機材 "ロードバイク" のひとつの側面ではないでしょうか。

Canon EOS Original DE ROSA King, Mizuno CARBON tubing / Campagnolo Record 10s / Bora
 
 
( Jan.11
A-008
2012:)
 
bottecchia
■ Bottecchia Equipe rosso / 自由の色、平等の色、博愛の色 ■
他人と競うことを運命付けられた自転車… それが明確なロードバイクの本質なのですが、それだけではなんとも味気ないものですよね。
自分は通常“自己満足"を最優先して自転車のビジュアルを構築しています。それを容易にカテゴライズさせるのは、相手優先のクリエイティブを日常的に行っているからに他なりません。ロードバイクは競技用機材ですので、当然アスリートのようなスポコンやコスプレは楽しいです。ただ、趣味として“他人との比較"が根底にあるような楽しみ方は、いずれ浅ましい方向に進んでしまうようです
全てにおいて“余裕”の無くなってしまった世の中、自転車では「自由」や「不自由」を楽しんでもらいたいなぁと思います。

Canon EOS Synthotic Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Record 8s
 
 
( Jan.11
A-009
2012:)
 
DE ROSA Giro d'Italia
■ DE ROSA Giro d'Italia / 金狼のレプリカ ■
このグラフィックは、かつてGiro d'Italiaにて総合優勝を果たしたEvgeni Berzinを擁する"Gewiss-Ballan"のチームカラーです。
Titanioがオリジナルですが、Columbus ELで組まれたフレームが喉から手が出るほど欲かったりします。シルバー系の地色にクリアなライトブルーを重ねたフランボヤン塗装、さらにフタロシアニンのような高彩度かつ低明度なブルーをグラデーション、クラシカルなロゴと深紅のを配置。これほどクロームやアルミの金属色と融合し響き合うカラーリングは、他にちょっとなさそう。
1994年、全盛期のインデュラインを完璧に下したベルズィン… その情報をリアルタイムで得られなかったのは残念です。

Canon EOS Original DE ROSA Giro d'Italia, Columbus BRAIN tubing / Campagnolo Chorus 9s / NUCLEON
 
 
( Jan.13
A-010
2012:)
 
tomassini Diamante
■ Tommasini Diamante / やわらかな風に吹かれて ■
そよ風のなか、スローモーションのようにゆれる若葉が乳白色のスクリーンにその影を映して、なんとも幻想的なシーンでした。
このTommasini、ちょっとマイナーなColumbus MSというチューブで組まれています。MSはあのペゼンティ氏による企画らしく、両端まで不思議な断面形状のチューブをその形に合わせた専用ラグで繋ぐという、とても凝った作りのフレームなのです。リアセンターを詰めるようオフセット設計されたと思われる特殊形状のBB部は剛性も高いようで、加速感のある走行が楽しめます。
紫がかった2色の濃紺によるグラフィックは、艶やかなクロムメッキと相まってノーブルな雰囲気を醸し出しています。

Canon EOS Original Tommasini Diamante, Columbus MS tubing / Campagnolo Record 10s & C-Record / NEUTRON Carbon
 
 
( Jan.14
A-011
2012:)
 
Tartaruga Type SPORT
■ Tartaruga Type SPORT / 冒険という心の旅 ■
この写真、なぜか子供の頃の冒険心を思いだします。明日に向かって挑むような、全身に“勇気”がみなぎってくるあのカンジなのです。
濃厚な木影の文様に不穏な空気を感じるせいか、はたまた勢い良く突き出されたサドルバッグが原因か、どうにもちょっとワイルドな気分。サドルバックと500mlボトルひつだけの軽装備ですが、なぜか派手な装備の旅行自転車よりも力強く冒険ゴコロがくすぐられます。荷物が多いということは、裏を返せば “マモリ" なわけで…。準備万端では子供の頃のあの冒険は味わえません。
実際は、子連れのファミリーが初夏の木漏れ日を満喫しているような、ホノボノとした雰囲気の中で撮影しました。

RICOH GX8 Original Tartaruga Type SPORT Standartd / RIXEN & KAUL Contoura Magnum
 
 
( Jan.16
A-012
2012:)
 
Tartaruga Type SPORT
■ Tartaruga Type SPORT / いつもと視点を変えてみる... ■
ホノボノとした雰囲気、その全景は概ねこんなカンジでした。青空がほんの少し入るだけで、写真の印象はこんなにも変わります。
このタルタルーガはスタイリングもさることながら、使い勝手が良くナカナカの優等生です。おさんぽ自転車にもちょうど良いのですが、100kmくらいならナントカなりますし、駅前に止めておくことだってOK。その使用頻度からすると、圧倒的なパフォーマンスを秘めた小径車なのです。当サイトのCページは「おさんぽ系ロードバイク」に主眼を置いた展開ですので、興味のある方はどうぞ。
ところで、小径車でのビンディングはタチゴケ注意です。700Cと比較すると重心が高くなるため、慣れているほど危険です。

RICOH GX8 Original Tartaruga Type SPORT Standartd / RIXEN & KAUL Contoura Magnum
 
 
( Jan.16
A-013
2012:)
 
konchiwa
■ Tommasini Diamante / 鏡面に捕われし青猿 ■
誰だかわからなそうな写真なのでチョイと登場させていただきました。多摩川サイクリングロード上流の羽村取水堰にて… パシャリ。
以前は自転車で走りに行く時に、カメラはおろかケータイすら持っていませんでした。せっかく軽量化しているのに、荷物増やすのは本末転倒と思っていましたから。そんなワケで、ボクが何処かに走りにいって撮影している写真はほとんどないのです。ある日の昼下がり、ストレッチャーに括られてる最中に警官から「ケータイは持とうね」と指導されるまで、免許と小銭と高額紙幣1枚きりでした。
今でもカメラは携行したくありません。主軸がはっきりしないのは、どちらも中途半端にしか楽しめないという事なのです。

NEC N-08A Original Tommasini Diamante, Columbus MS tubing / Campagnolo Record 10s & C-Record / NEUTRON Carbon
 
 
( Jan.16
A-014
2012:)
 
GIOS Compact Pro
■ GIOS Compact Pro / 君のための自転車 ■
自分のため以外の自転車をはじめて組み上げました。丸眼鏡の魔法使いに良く似た友人用のロードバイクなのですが、足なげ〜っ!!
歴史あるこの群青は、ただならぬ魅力を秘めていました。とくに金属色の反射がこの伝統色とドラマチックな対比を生じさせるようで、温存しておいた3tttステムの輝きが一層増しています。さらに、切れ味あるブラックパーツとの視覚的ハーモニーに、ボクは目眩を禁じ得ません。視覚が求める色彩のリズムがそこにあるのです。ケータイ撮りとはいえ、それなりに雰囲気のある写真となりました。
はじめてのロードバイクが伝統自転車の“Compact Pro" だなんて、丸眼鏡の魔法使いに良く似たおじさんが羨ましいです。

NEC N-08A Retouching GIOS Compact Pro, DEDACCIAI Cr-Mo Tubing / Campagnolo Chorus & Record 10s / Eurus G3
 
 
( Jan.19
A-015
2012:)
 
Tommasini Diamante
■ Tommasini Diamante / 木漏れ日写真館 ■
写真撮影にとって光と影は最も重要な要素です。被写体の内容とは関係なく、求めるビジュアルに即したバランスが必要となってきます。
ロケでの撮影は好きですが娯楽用にスタジオを借りるわけにもいかず、自分の選択肢はロケ撮影しかありません。そのロケには太陽の光が必要不可欠なのですが…、やっちゃいました。陽光による強烈な影のため、視覚的に不快な印象の写真となってしまいました。う〜ん残念。直接の陽光では被写体によって影がウルサクなります。そんなとき木漏れ日を利用するとココチヨイ光が得られます。
木の葉は自然のディフューザー、被写体を優しく包み込んでくれます。訪れるその瞬間を逃さずCMOSの瞳に焼き付けたいですね。

Canon EOS Original Tommasini Diamante, Columbus MS tubing / Campagnolo Record 10s & C-Record / NEUTRON Carbon
 
 
( Jan.27
A-016
2012:)
 
DE ROSA Giro d'Italia
■ DE ROSA Giro d'Italia / 光と風とフランボヤン ■
まるでその輝く銀輪“NUCLEON”によって、光と風さえかき分けてどこまでも疾走していく… そんな“一瞬”と出会うことができました。
淡い木漏れ日に包まれた自転車がそこに立て掛けてあるだけなのですが、光と影の織りなす濃淡によって幻想的なイメージを生み出しています。それにしても、この木漏れ日写真はわかりやすく撮れたもので、ナカナカ自己満足しています。それは、天上にて陽光をつかさどる雲の生み出す刹那の変化と、枝葉の密度や距離によって生じる木影の微妙な濃淡、ふたつが重なるその瞬間でした。
木漏れ日の中、現象を写し込む“フランボヤン塗装"の発色が独特の雰囲気です。宮澤賢治の一節にあるのはなんでしたっけ?

Canon EOS Original DE ROSA Giro d'Italia, Columbus BRAIN tubing / Campagnolo Chorus 9s / NUCLEON
 
 
( Sep.28
A-017
2012:)
 
Moser GANZARD
■ Moser Ganzard / 広がる闇の心地よさに ■
これほど高コントラストの画像は、視認性が低いため視覚入力時に不快感を与えてしまう懸念があります。通常お蔵入り扱いなのですが…。
モノクロ変換によってある程度は魅力のあるビジュアルになることを予測していましたが、正直これほどの画像へと変貌をとげるとは想像していませんでした。単色にすることで画面を覆う木影の広がりが、効果的に強調されたのです。まるで宙に浮かぶハッブルのみが観測可能な宇宙空間、遥か数億光年先で輝きを放つ星団や巨大銀河のうねりの如く感じられてしまいます。自転車とは全く関係ないですね。
モノクロ化すれば魅力的な画像になるという訳ではありませんが、個人的な向学の為にも単色変換のページを新設しそうです。

Canon EOS Original Moser Ganzard, Columbus ALLEE tubing / Campagnolo Veloce & Centur / VENTO G3
 
 
( Sep.28
A-018
2012:)
 
Moser GANZARD
■ Moserd Ganzard / ダイナミズムのススメ ■
上の写真とは異なり、この程度のコントラストであればRGBカラーによる表現でも問題なさそうです。ドラマチックでナイスな雰囲気?
ビジュアルコミュニケーションのクリエイティブには、伝えたい主題が何であるかを明確にすることが重要だと思います。これはただ単純化することではなく、要素が複雑であったとしても、それらが主題を明確にするためだけに存在していれば良いのです。写真作品はそのシンプルさ故に、ほんの少しの意識で主題の明確化が押し進められるような気がします。そのひとつが構図の取り方です。
ファインダー越しに切取った動的な構図には、モニター上のトリミングでは到底得られない精神の躍動が写り込んでいるのです。

Canon EOS Original Moser Ganzard, Columbus ALLEE tubing / Campagnolo Veloce & Centur / VENTO G3
 
 
( Oct.28
A-019
2012:)
 
manaduru
■ Tommasini Diamante / あの夏、君は... ■
植物の生い茂るコンクリートの上で、誇らしげに掲げる夏のワンシーン。こんな臨場感の溢れる写真は、さぞかし腕のある人物の作品では?
ガードレールの支柱に載せてタイマーで撮った写真なのですが、完全な失敗作になってしまいました。ん?ちょっと待てよ、この写真ナカナカどうして魅力的ではありませんか? 画面からはみ出し水平線を無視した大胆な構図によって、高揚した精神状態と瞬間の空気感をリアルに表現されているのです。オーバーぎみの露光によって、更にそのベクトルは強められています。う〜ん、あの夏の匂いだ。
こんな写真、自分には撮ることは出来ません。意図的に瞬間の精神的ダイナミズムを撮れるならば、それは天才の領域だと思います。

RICOH GX8 Original Tommasini Diamante, Columbus MS tubing / Campagnolo Record 10s, C-Record & TA / NEUTRON
 
 
( Nov.04
A-020
2012:)
 
diamante
■ Tommasini Diamante / ダイヤモンドか、サファイアか ■
"Diamante"とはイタリア語でダイヤモンドのこと。どちらかというとインクブルーに輝く宝石"Zaffiro" サファイアのイメージですよね。
構図によるダイナミズムは主題を明確にするための簡単な手段ですが、写真表現でならではの手段として“被写界深度”をコントロールすることでも主役を引き立たせることが可能です。カメラやレンズに依存するのでそれなりに高コストなのは否めませんが、工夫次第で思いのほか素敵な画像が得られると思います。最近のアマチュアにありがちな、ただボケていれば良いって訳ではありませんけど…。
この写真はコンデジ初期の安価なカメラでの撮影です。滑り感を残しつつ節度あるボケによって"Diamante"の輝きを表現しました。

Minolta Xt Original Tommasini Diamante, Columbus MS tubing / Campagnolo Record 10s, C-Record & TA / NEUTRON
 
 
( Nov.04
A-021
2012:)
 
ooiso
■ Tommasini Diamante / 芸術という名の壁面 ■
強烈な存在感のグラフィティアートの壁面に同系色のDiamanteを配置してみると、意外にもシックなリズム感のある画面になりました。
文字を排除した抽象表現と思われますが、変化に富んだ藍色の面積比と別次元感のあるスパイラルによる構成には、同じクリエイターとして天才的なものを感じてしまいます。現在のDiamanteとは異なり黒いパーツのアッセンブルを主体としていた頃、海辺の防波堤にて撮影しました。たしか上の写真021と同じ日に撮ったのだと思います。ブラックパーツがあるからこそシック感が得られているのです。
いつもの木影写真のような壁が好みですが、こんなアート壁面はやっぱり視覚的に楽しいですよね? 近所にこんな壁ないかなぁ。

RICOH GX8 Synthotic Tommasini Diamante, Columbus MS tubing / Campagnolo Record 10s, C-Record & TA / NEUTRON
 
 
( Nov.04
A-022
2012:)
 
bottecchia rosso
■ Bottecchia Equipe rosso / 今は亡きグラフィティアート ■
壁の落書き全てをアートと呼ぶことがまかり通るのであれば、この修繕のための塗装も、無作為であるが故に余計アートを感じてしまいます。
すでにマンネリ感の否めないこの壁面、実は以前グラフィティアートによって彩られていた時期があったのです。といっても自分の記憶はとても曖昧なもので、この写真のような過去に記録された画像によってなんとか伺い知ることが出来る程度です。しかも修繕によって上塗りされた画像しかありませんでした。醜くいと感じるか芸術的と感じるか… それは傍観者に許された自由な価値観なのでしょう。
なんとかグラフィティアート感の残存する画像を過去のデータから探して、木影とのユニゾンが心地よいこの一枚を見つけました。

Canon EOS Original Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Record 8s
 
 
( Nov.11
A-023
2012:)
 
derosa king
■ DE ROSA King / 光溢れる籠の中 ■
やがて時は過ぎ去り文明や文化の痕跡は全てかき消され、世界は自然現象だけが支配する空間へと還元されてゆくのだろうか… なんてね。
何時しかグラフィティアートの壁面は、完全にソリッドな塗装面へと修繕されてしまいました。上部のイエローがかった部分は脚立の範疇を超えていたエリアだったのでしょう、木漏れ日を浴びて心地よいアクセントを担ってくれています。落ち葉降り積もる実体としての地面と、木漏れ日による円弧の生み出す仮想の地面、まるで上下2つの地平球がそこに存在しているような幻想的な情景でした。
アートな壁面やグランジされたムラバックも魅力的ですが、現象が主役となるニュートラル・グレーも捨て難い魅力なのです。

Canon EOS Original DE ROSA King, Mizuno CARBON tubing / Campagnolo Record 10s / Bora
 
 
( Nov.17
A-024
2012:)
 
derosa king
■ DE ROSA King / 自然の摂理、季節の恩恵 ■
寒々しい無彩色の空間に散りばめられた有機物の色彩が、軽やかで可愛らしいリズムを奏でているようですね。カーボン色も悪くないかな。
偶然によって配列される落ち葉レイアウトの妙は、人間の美意識による配列ではなかなか真似ができないものです。もしこの落ち葉が撮影小道具だとして、それを時間をかけて一枚いちまい適材適所に配列させたとしても、なんとなく沸き上がる違和感を払拭できないはずです。そんな時はテキトーにバラまいた後、軽く吹き飛ばす程度に何かで扇いでみると、なかなか心地よい配列になってくれたりします。
たとえアーティストが計算し尽くした構成だとしても、現象によって全てが構成される“自然”には到底太刀打ちできないのです。

Canon EOS Original DE ROSA King, Mizuno CARBON tubing / Campagnolo Record 10s / Bora
 
 
( Nov.17
A-025
2012:)
 
bottecchia rosso
■ Bottecchia Equipe rosso / 朽ち果てる存在の深淵なる美学 ■
緩やかな弧を描くよう設計されたコンクリートの螺旋階段。 半世紀ものあいだ風雨に晒されながら、その姿は少しずつ自然へと近づいてゆく。
ちょっと不自然なシチュエーションにその身を委ねているBottecchiaです。この写真はペダル部分を撮影するため、普段使用している壁面の反対側に自転車を配置した時のものです。階段途中に自転車は置かないと思いますが、不思議な魅力を放っていたので数カット押さえてみました。緑色にペイントされたコンクリートの朽ち方が絶妙で、苔むしたようなテクスチャへと変貌を遂げているのです。
人の手による建造物も風化することで“味”が出てきます。昨日、この場所が工事によって破壊されているのを目の当たりにしました。

Minolta Xt Original Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Record 8s
 
 
( Dec.08
A-026
2012:)
 
bottecchia riser
■ Bottecchia Equipe nero / 人の創りし空間と現象 ■
鉄板をくり抜きシルエットによって、二次元の視覚効果だけを狙ったチープなこのフェンス…。これはキッチュ様式と呼ぶのでしょうか?
撮影場所は、近所にある百貨店の別館に設けられたエントランス脇の通路です。建築装飾的なことはさておき、淡い中間色のセレクトによって色彩的には調和のとれた上品な仕上がりだと思います。それも手伝ってか、なにやら別次元の魅力を醸し出しているように感じられます。サーカスや遊園地などがステレオタイプ的に保有している、どかこノスタルジックな大衆娯楽的なビジュアルみたいですね。
自然界に存在しないリズム感は、非現実性を帯びた幻想的な空間イメージの演出となり、この自転車との相性も良さそうです。

NEC N-08A Original Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Corsa Record & Record 8s / NUCLEON
 
 
( Dec.08
A-027
2012:)
 
bottecchia north road bars
■ Bottecchia Equipe nero / fotogenica bicicletta ■
わずかに見上げるようなアングルで撮影したローキーな画像は、長く伸びる陰影がとても印象的で、凛とした風格のある写真になりました。
無彩色に彩られたこのbottecchiaは、それ故に様々な背景の空間と色彩的に響き合うようです。フレームに施された絶妙な質感バランスによって明と暗どちらでも深い趣が感じられ、所有する自転車としては最も写真写りが良さそうです。アップハンドルも大きな要因で、既存のジャンルや使用目的をイメージさせず、自転車そのものを完結した主役として脳や視神経が識別するのかもしれません。
幾つもの物語を内包しているかのような“光と影”の織りなす情景は、クリエイティブ表現の手段として飽きることは無いでしょう。

Canon EOS Original Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Corsa Record & Record 8s / NUCLEON
 
 
( Dec.16
A-028
2012:)
 
DE ROSA Titanio
■ DE ROSA Titanio / 色彩による面積比のシェアリング ■
圧倒的な枯れ葉の質量に、なす術も無く覆い尽くされる件の螺旋階段。ラウンドされた壁面による潔い画面分割がせめてもの救いでしょうか。
絵画やグラフィックの創作表現として、主役部分に極少量の面積で赤や黄など高彩度な色彩を使用するテクニックがあります。任意の部分をより際立たせる効果があるため、とくに意識せず使用するクリエイターも多いと思います。寒色系も進出色であれば同様の効果が期待できるようで、枯れ葉と同明度の補色関係でもあるこのフレームカラーは、響き合いながらも強調されて視覚的に心地よいのです。
今年も残りわずか、あと少しで覆い尽くされるこの螺旋階段ように幕が引かれようとしています。訪れる新たな春風に期待を込めて…。

Canon EOS Original DE ROSA Titanio, Columbus Hyperion tubing / Campagnolo Record 10s / Shamal 12-HPW Titanium
 
 
( Dec.24
A-029
2012:)
 
Sunrise
■ Sunrise in Hawaii / 偶然の紡いだクリエイティブ ■
このサイトはBlogではありませんので、時系列というか時間軸は一切無視しています。でもまぁせっかくの元旦なのでそれらしい写真を…。
危険を冒さない限りこのような写真を撮ることは出来ません。それでも“自転車乗り”としては撮影せずにはいられない絶好のシャッターチャンスな状況ですよね。もちろん安全が第一、撮影時に画像のクオリティなどは全く意識していませんでした。まさに「写ってりゃOK!」と思っていたのですが、蓋を開けてみるとナニゲにそれらしい写真が記録されていて、正直ちょっと驚きました。
長年愛用していた壁が破壊されてしまい、今年は新たな撮影場所を何処かに見付けなければなりません。ロケハン楽しみだなぁ。

Minolta Xt Original Honolulu Century Ride
 
 
( Jan.01
A-030
2013:)
 
DE ROSA Titanio
■ DE ROSA Titanio / 二度と戻らないサンクチュアリ ■
新しい撮影場所はそう簡単には見つからないのかもしれません。あらゆる意味であの場所はボクにとっての聖域だったのだと思われます。
今もなお進行形で破壊されてゆく壁面エリアを後目に同公園内をつぶさに見て回るのですが、可能性のある新たな撮影場所は一向に探し当てられない状況なのです。あぁ、なんという悲劇。ボクの自転車撮影の創作活動もここで潰えてしまうのでしょうか…。そんな中でも断片的には存在するもので、カラーとテクスチュアの関係がちょっと奇妙な壁面を発見し、さっそくテスト撮影してみました。
022と同じく、同系色の背景に関わらずワリと心地よい画像が得られたのではないかと思います。面積が少なくて残念。

Canon EOS Original DE ROSA Titanio, Columbus Hyperion tubing / Campagnolo Record 9s / Shamal 12-HPW Titanium
 
 
( Jan.12
A-031
2013:)
 
DE ROSA Giro d'Italia
■ DE ROSA Giro d'Italia / 過ぎ去りし日々、かすかな記憶 ■
温暖化の昨今、どうしたことかこの冬の寒さは例年よりも厳しいものになっているようですね。はやく春になって欲しいと心から願います。
花壇の外側を石畳などでフィニッシュしていれば、あるいは何処か異国情緒な香りのしそうな画像ではないでしょうか。これは何年も前にいつもの公園で撮影した写真です。残念ながら今は跡形も無く取り壊されてしまっていて、思い出の中限定の曖昧な光景でしかありません。031と同様、ちょっとしたエレメントに昭和風味のノスタルジック感が漂っています。画一化されていない手作り感?
特定の風景を残したいという気持は個人のエゴなのかもしれませんが、あまり“味”の無い風景へと変わって欲しくは無いものです。

Minolta Xt Original DE ROSA Giro d'Italia, Columbus BRAIN tubing / Campagnolo Chorus 9s
 
 
( Jan.20
A-032
2013:)
 
DE ROSA Titanio
■ DE ROSA Titanio / その徘徊の途中に見つけた場所は... ■
屋外での撮影は、均一的な広い背景を生じさせる特定の空間や環境以外、絶えず雑多な背景とのせめぎ合いのうえに絵作りが行われます。
大口径の明るいレンズを使用し被写界深度を浅くすることで、多少画面作りがコントロールしやすくなります。趣味の世界では自己満足こそが最優先なので、ボケの激しい美しい画像が得られればそれで万事OKだと思います。しかし、残念ながら自分は業務でのクリエイティブ意識があまりにも強固に刷り込まれているため、つい「そこが何処であるのか」確認可能な画像を求めてしまうのです。
撮影場所のかわからない写真になってしまっては、多大なコストのかかる遠方ロケなんてクライアントが許してくれません。

Canon EOS Original DE ROSA Titanio, Columbus Hyperion tubing / Campagnolo Record 9s / Shamal 12-HPW Titanium
 
 
( Jan.27
A-033
2013:)
 
DE ROSA Giro d'Italia
■ DE ROSA Giro d'Italia / ふと見下ろした瞬間、そこにある現実 ■
人間が自転車を目視する時、上から見下ろすアングルが最も日常的だと思います。故にこの視点からの画像には独特のリアリティが存在します。
斜俯瞰アングルから自転車の側面を撮影した画像は思いの他少ないようで、ネットで画像検索をしてみると容易にそれが見て取れます。ほとんどが真横の低い位置から撮影された写真ばかり…。確かに視点を高くすると、パースによる歪みが原因で画面に違和感を覚えます。あるいはカタログ文化による影響で、情緒に乏しい画一的な商業ビジュアルが、多くの人々の概念に刷り込こまれているだけでしょうか。
視点を変えると立体感が得られます。そのため被写体自身の存在感や現実感が増し、取り囲む空気の流れを感じることが出来るのです。

Canon EOS Original DE ROSA Giro d'Italia, Columbus BRAIN tubing / Campagnolo Chorus 9s / Shamal 12-HPW Titanium
 
 
( Mar.03
A-034
2013:)
 
derosa king
■ DE ROSA King / 錯覚と快感の因果律 ■
走行中その自転車の見える部分は俯瞰したハンドル周りぐらいです。操作性や居住性を推し量る上でも俯瞰の画像には深い意味があります。
当時一番走りやすかったGiro d'Italiaのサイジングを基本に、このKingを完成させました。Ergopowerのブラケットから水平の長いリーチで手前に来るハンドル、中央にセッティングされ必要な情報が確認しやすいErgobrain、そのセレクトから位置や角度の設定には並々ならぬ探求があったのを思い出します。それほどレーシーではありませんが、本当に走るのが楽しくてたまらない自転車でした。
うろこ模様のトップチューブを眼下に不思議な安心感に包まれたボクは、その時はじめて人馬一体という言葉を知ったのです。

Canon EOS Original DE ROSA King, Mizuno CARBON tubing / Campagnolo Record 10s / Bora
 
 
( Mar.09
A-035
2013:)
 
bottecchia rosso
■ Bottecchia Equipe rosso / 喪失する華麗、獲得する可憐。■
撮影でアングルを決定する際、被写体のイメージが内包する“らしさ”を表現するべきかどうか、その目的に応じて選択する必要があります。
この写真は居住性の垣間見える画像を意識して撮影しました。とはいえ俯瞰アングルはどことなくコミカルで、子犬や少女の上目遣いというか、可愛らしくはあってもエレガントではないと思います。ファッション系でモデルを全身撮影する時、通常ボクは低い位置からの撮影をカメラマンに指示しています。その視点からはスタイリッシュなパースが得られ、動きのある綺麗なラインが表現できるのです。
伊語の Bicicletta は女性名詞だそうです。近年のカーボン製はさておき、鉄のイタリアンロードバイクを見ると妙に納得です

Canon EOS Original Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Record 8s
 
 
( Mar.16
A-036
2013:)
 
bottecchia
■ Bottecchia Equipe nero / 俯瞰して考えると見えてくる世界 ■
このアングルから2つを見比べると、ラグの造形や装着したパーツの違いがよくわかるので、拡大して細部まで確認したい衝動に駆られます。
ランドナーやスポルティーフといったフランス系の旅用自転車に、特別な思い入れを抱く人は多いと思います。手の込んだ特殊工作や希少パーツの導入が重要らしく、興味はあってもその敷居の高さから中々手が出せません。それでも自転車趣味の醍醐味が沢山詰まっていそうで、なんだか憧れてしまいます。そんな細部まで気合いの入ったフランス車は、このような斜俯瞰の撮影に向いていそうですね。
仏語の vélo は男性名詞だそうです。旅用にあつらえたその自転車は男性的というよりも、華やかなロバを連想してしまいます。

Canon EOS Original Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Corsa Record & Record 8s
 
 
( Mar.16
A-037
2013:)
 
bottecchia north road bars
■ Bottecchia Equipe nero / ゴージャス気分なコオロギ自転車 ■
ランドナー系をロバの様相とするならば、こちらは差し詰めバッタかコオロギといった印象でしょうか? アップハンドルが触角しています。
光の条件が良好だったこともあり、このページで求めている斜俯瞰画像の細部表現効果が期待どおりに現れています。それぞれのパーツが単独に輝きながらも破綻することなく相乗的に響き合い、洗練された鉄製フレームの基に高次元で統合されているのです。なんとも独特な存在感を放つ画像が得られたのではないでしょうか。自然光というのは本当に素晴らしい根源的要素だと改めて感じました。
基本アイテムを装着しただけなのに、たとえ個々の部品がエレガントだったとしても、もはや別の嗜好へと着地しそうです。

Canon EOS Original Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Corsa Record & Record 8s / NUCLEON
 
 
( Mar.17
A-038
2013:)
 
bottecchia north road bars
■ Bottecchia Equipe nero / そのエレガンスは宿命のように ■
ドラマチックで爽快な構図は、絵画や写真などを鑑賞する楽しみを一層広げてくれます。猥雑によって支配されたこの世界に一服の清涼剤を。
見る者に華麗で繊細な印象を与える鉄製イタリアン・ロードバイク、その突出したビジュアルを1つの画面で表現するには"らしさ"が重要な要素になると思います。被写体空間を平面に配置する時、面積比や角度の構成によって抽象的イメージの表現が可能です。傾斜によるシャープな分割と、余裕ある面積比によって構成したこの画像、エレガントな自転車に相応しい洗練された構図ではないでしょうか。
構図の決定は過去に記憶した視覚情報の影響下にありますが、クリエイターたるもの一瞬いっしゅんを感じながら創作したいですよね。

Canon EOS Original Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Corsa Record & Record 8s
 
 
( Mar.31
A-039
2013:)
 
bottecchia north road bars
■ Dursley Pedersen / 孤高なる、あの北欧自転車のような... ■
春風に誘われて近所を散歩していると、いつもの公園でちょっと不思議な風景に遭遇しました。取り残された誰かの自転車に向けて、パシャリ。
プランター内のチューリップが花を咲かせていれば、もう少し華やかな画像になっていたのかもしれません。とはいえ、エキセントリックな北欧自転車と無機質なモザイク空間との対比が、ココロに響いたからこそレンズを向けたのです。要素を完全に絞ってシンプルな構図にするよりも、プランターなどの異質な要素を敢えてフレーム内に収めることで、希薄になってしまう現実感を繋ぎ止めました。
これ、本当にペダーセンなのでしょうか?何だか線が太いような…。網膜で捉えた最初の瞬間からナニゲに違和感ありなのです。

DP2 Merrill Synthotic Dursley Pedersen ???
 
 
( Apr.07
A-040
2013:)
 
cercidiphyllum
■ DE ROSA Titanio / きみどり色にココロも踊る ■
都会に生きる現代人にとって自然回帰という言葉もはや幻想に過ぎません。だからこそ生命あふれるこんな新緑に憧れてしまうのでしょう。
この自転車は紛れもなくオンロード専用タイプなので、このような「森の中に迷い込んだ」風のシチュエーションに配置するのは若干ナンセンスかと思います。それでも魅力的な色彩の前では、そんな理屈どこかへポ〜ンと捨ててしまいますよね。芽吹いているのは公園に植林された桂の若葉。自転車では見落としそうな細部にこそ、自然の生み出す不変的な造形美がひしめくのです。
使用したカメラは単焦点とはいえ開放でもF2.8の暗いモノ、魅力ある絵作りにはこんな工夫も効果的だと思います。

DP2 Merrill Original DE ROSA Titanio, Columbus Hyperion tubing / Campagnolo Record 9s / Shamal 12-HPW Titanium
 
 
( Apr.14
A-041
2013:)
 
Moser GANZARD
■ Moser Ganzard / 明るいレンズによる開放と悲しい現実 ■
絵画的技法でいうならば空気遠近法を用いた一点透視図法の絵作りといったところ。迫力はあってもちょっと漫画チックな感は否めませんね。
比較的明るいF1.8の単焦点でも、所有しているミドルクラスのレンズでは開放撮影時にキリッとしたピントの山は得られないようです。不本意ながら若干絞り、F2.8に設定して評価測光によるシャッター速度1/1,000で撮影しました。それなりに背後はボケますが、どうにも物足りない仕上がりにジレンマを感じてしまいます。フレームカラーとフェンスの類似した色相の方が問題ありそうかな。
自宅から数キロ離れた環状道路上の歩道橋にて撮影。一眼レフを積載しての移動は自転車乗りの理念に反するコトと思います。

Canon EOS Original Moser Ganzard, Columbus ALLEE tubing / Campagnolo Veloce & Centur / VENTO G3
 
 
( Apr.30
A-042
2013:)
 
cercidiphyllum
■ DE ROSA Titanio / お願いですから開放してください ■
写真を撮るのにチョット煩わしいけど、人影少ない冬場よりもニギヤカなこの季節の方が良い雰囲気ですね。さすが由緒正しいスポーツ公園。
これまた残念ながら被写界深度に不満の残る画像の仕上がりとなってしまいました。今回はシャッター速度の問題で、実質的に1/1,250秒が最速という不甲斐ないスペックの機体のため、この光源での開放寄りの絞り限界がF3.5となっていました。開放F値2.8でも解像感にそれほど問題のないレンズを搭載しているカメラなので、またしてもジレンマを禁じえません。NDフィルター?
しかし、これ以上遠景をボカスと競技をしている人々の存在感や現実感が希薄になってしまいそうで… 物は考え様です。

DP2 Merrill Original DE ROSA Titanio, Columbus Hyperion tubing / Campagnolo Record 9s / Shamal 12-HPW Titanium
 
 
( May.05
A-043
2013:)
 
Moser GANZARD
■ Moser Ganzard / ふたつめの螺旋 ■
不思議なペイントに身を包んだ姿が現代アートのオブジェにも見える怪しい物体。まるで目的を失い無気力にたたずむ巨大生物のようです。
その正体は運動公園に設置された屋外プールのエントランス、つまりは建築物のカテゴリー該当します。これほど強烈なインパクトを放つ壁面は、背景としての役割を確信的に放棄しているのでしょう。ペイントは勿論のこと、特徴的なマテリアルや木々の陰影があたかもハッチング技法のようなタッチとなり、巨大な物体のマッスやフォルムを浮かび上がらせ、その存在感を強調しているようです。
この建築の内部構造こそ、ボクの自転車撮影に必要不可欠だった乳白色壁面の真の姿。対をなすもう一方の外観なのです。

DP2 Merrill Original Moser Ganzard, Columbus ALLEE tubing / Campagnolo Veloce & Centur / VENTO G3
 
 
( May.12
A-044
2013:)
 
Moser GANZARD
■ Moser Ganzard / そして、ひとつめの螺旋 ■
もうひとつの螺旋、長年にわたり木漏れ日写真を撮影していた場所です。現在は改装されてしまい内側での撮影は不可能となってしまいました。
前回の東京オリンピックで使用された競技場のひとつだったのが、いつも利用しているこの運動公園。あまりにも有名すぎる公園ですので今更ボクが語れることなんてまったくありません。これを撮影したのは2013年の6月頃、数ヶ月後に2020年オリンピックの開催が東京に決定するなんて思いもよりませんでした。どうやら2020年には使用されないようなので正直あまり関係ないのかな。
このように2つを並べてみると、こちらの外装は現代の無粋な施行技術によって醜く補修されてしまったような印象です。

DP2 Merrill Original Moser Ganzard, Columbus ALLEE tubing / Campagnolo Veloce & Centur / VENTO G3
 
 
( Jan.10
A-045
2014:)
 
Moser GANZARD
■ Moser Ganzard / Tokyo 1964 Olympic Games ■
東京オリンピック1964で使用された競技場が遠くに見えていますね。左端の体育館は現在建替えの最中でこの場所も今は存在しません。
周辺にはあまり高層建築がなく視界が開けており見晴らしの良いステキな場所でした。流星群やら日蝕月蝕、大雨や大雪、激しい落雷なんかも見に行ってましたからね、ホントに色々な思い出があります。2005年頃だったかな?この背後に深沢ハウスなる高級巨大マンション群が建てられはしたけれど、とくに印象を悪くするような感じではなく逆にアクセスが楽になったくらいかな…。
この画像は3年前の9月に撮ったもの。ボクにとって大切な場所を最後にシッカリとFULL SIZEに記録できてホントに良かった。

Canon EOS Original Moser Ganzard, Columbus ALLEE tubing / Campagnolo Veloce & Centur / VENTO G3
 
 
( Sep.18
A-046
2016:)
 
GIOS Compact Pro
■ GIOS Compact Pro / 丸眼鏡の魔法使いに良く似た友人を召喚 ■
少々前のゴールデンウィーク、約束の海を目指して2人でペダルを漕ぎ続けたあの昼下がり。涼しい川風がサラリと吹き抜けて行きました。
COOLな笑みを浮かべながら南西側に横たわる丘陵を見つめる友人をパシャリ。モデル体型の彼は少々恥ずかしがり屋さんなので一瞬の隙をついて撮影しました。ボクの相方も172cmあるモデル体型なのだけれど、そういえば彼女もめったに写真を撮らせてくれません。ロードバイク初心者といえる彼の服装は自分の感性でセレクトしたもの、ファッショナブルで実にマトを射てますよね。
チームジャージしか着れないってのは走り方もおそらく一本槍ってこと。もっと自由に着れば良いし、もっと自由に走れば良い

DP2 Merrill Original GIOS Compact Pro, DEDACCIAI Cr-Mo Tubing / Campagnolo Chorus & Record 10s / Eurus G3
 
 
( Sep.25
A-047
2016:)
 
GIOS Compact Pro
■ GIOS Compact Pro / GIOS、再び ■
相模湾の碧い水平線を背景にしてGIOSの藍いホリゾンタル一層映えるようです。色彩のネーミングって結構いい加減で困りますよね。
それにしても精悍なスタイル。友人はボク(ナルシマ測定で股下83cm)より7cmほど足が長くて通常で考えるとこの状態よりも更にサドルが高くなります。でもそうしちゃうと前傾のポジションが正直辛いらしく、ステムはすでにリミットラインシートチューブは芯芯で560mmもあって彼的にはジャストサイズではあります。心配すんな、アップハンドルに変えてやるぜっ!!
ボクの相方はMen'sのデニムすら切らないコトが多いので、フツウのLadies'パンツ系は難しかったりします…、大変なんすね。

DP2 Merrill Original GIOS Compact Pro, DEDACCIAI Cr-Mo Tubing / Campagnolo Chorus & Record 10s / Eurus G3
 
 
( Sep.25
A-048
2016:)
 
DE ROSA Titanio
■ DE ROSA Titanio / 日常の非日常 ■
毎日の何げない生活の中にも、キラリ輝きを放つ物事との出逢いなんて幾らでもあります。気付くのには感度の良いアンテナが必要かな。
ロードバイクって凄い加速感が得られるんですよね、ひらりひらりシュパーって他ではあまり体験することのない感覚自由に空を飛び回るツバメの羽ばたきにチョット似てるような気がします。これって高ケイデンスを保ちながら車道をひた走っているだけのサイクリストには、たぶん理解できないんだろうなぁ。自転車は自由の象徴、決められた道だけを走る必要なんて無い
感覚を研ぎ澄ますとかってほど立派なもんでもなくて、あるがままを素直に受け入れて心と響かせるだけなんです

Canon EOS Original DE ROSA Titanio, Columbus Hyperion tubing / Campagnolo Record 9s / Shamal 12-HPW Titanium
 
 
( Sep.30
A-049
2016:)
 
DE ROSA King
■ Makapu'u Gap 2003 / 〆〼 ■
このページは lolograficoサイト最も訪問者が多いと思います。あまり更新できないのは申訳なくて今回で一旦決意をしました。
色々な意味でちょっと恥ずかしい写真。この頃のRECORDはアウターローの52×26tでも完全に動作しますぅ、足の黒いオーラは相方の命令なんですぅ、テヘッ。この画像を見てボクだと気付くヒトは居ないから良しとしよう…。だけど最後には相応しい絵面でしょ?現地で知り合った方にムリ言って撮影してもらいました。本田技研の方だったかな、本当にありがとうございました!!
正直この画像はボクの撮ったどの自転車写真よりも素晴らし感じますムズカシイこと考えず好きな写真を撮りたいですね。

Minolta Xt Synthotic DE ROSA King, Mizuno CARBON tubing / Campagnolo Record 10s / Eurus G3
 
 
( Oct.01
A-050
2016:)
 
 
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