mokutan_dessin?




 
Moser GANZARD shadow
■ Moser Ganzard / ウロコの壁 ■
爬虫類のように滑り輝く異形のスタッガードは、集合体によって形成される燃えるような闇の中に、癒しを乞うようにしてその身を委ねた…。
この写真を単色変換した瞬間、閃きのようなものを感じました。それは、モノクロ化によって得られる圧倒的な限界点の深さの広がりと、新たに始まる別の時間軸へのアプローチ、2つの発見でした。ラティチュードの限界を超える高コントラストの画像は、RGBカラーでは殆ど使用不可能だと思われます。それがモノクロになった途端、幻想的なストーリーが沸き上がるようにして始まるのです。
今までは色相対比をコントロールして明度対比に置き換えた絵作りをする… 程度の意識でしたので、まさに目から鱗のようです。

Canon EOS Adobe CS Moser Ganzard, Columbus ALLEE tubing / Campagnolo Veloce & Centur / VENTO G3
 
 
( Oct.12
D-001
2012:)
 
Moser GANZARD branch
■ Moser Ganzard / からまる触手 ■
血管のように張り巡らされた生物の触手に怯えながらも、この静寂した空間を支配する音無き音の旋律を心ゆくまで堪能したいのです。
当サイトCページにて既出の画像“C13"と同じ写真です。こちらは単色変換しただけの画像なのですが、暖かな親密感とともに幻想的な瞬間の美しさの表現をおこなった"C13"と比べ、どこか禍々しい雰囲気のビジュアルに留まったままでいます。あちらは、RGBカラーによるセピアトーン的な画像調整と、マスクを使用したスポットのような光で明度のコントロールを施してあります。
モノクロ写真のようなビジュアルは、受信者よりも発信者であるクリエイターの方がその魅力に取り付かれそうです。

Canon EOS Adobe CS Moser Ganzard, Columbus ALLEE tubing / Campagnolo Veloce & Centur / VENTO G3
 
 
( Oct.14
D-002
2012:)
 
DE ROSA Giro d'Italia
■ DE ROSA Giro d'Italia / 闇をつらぬく光のベクトル ■
原子核を構成するもの…“NUCLEON”と呼称される銀輪は、励起状態によって得られる光の翼で、決して失速することなく駆け抜ける。
淡いハイライトの織りなすグラデーション… 柔らかな光の広がりが爽やかな風の動きを感じさせるような写真です。RGBカラーの画像から得られる印象とさほど違いはないのですが、他の画像が重苦しいローキーばかりなのでバランスを考慮しこの位置に配置しました。ある意味、組み写真を意識したレイアウト表現です。トーンの変化を強調するために多少の画像加工を施してあります。
ただ爽やかなだけのビジュアルではそれほど魅力はありませんね、折角なのでルドンのような“温かく親密な闇"を目指します。

Canon EOS Adobe CS DE ROSA Giro d'Italia, Columbus BRAIN tubing / Campagnolo Chorus 9s / NUCLEON
 
 
( Oct.14
D-003
2012:)
 
DE ROSA Titanio
■ DE ROSA Titanio / オールドスクールは今日もつづく ■
激しい競技の後に訪れる気だるい充足感、あきらめにも似た快い薫風が鼻先を吹き抜けた。あの風は今もどこかで吹いているのだろうか…。
またまた恐縮至極、既出しているC18画像のリフレインです。この写真はモノクロに変換しても視覚入力時の印象がそれほど変わらないようです。どうやらD03画像と同様、ある一定以上のハイライト面積の存在がそのような傾向をもたらしているようです。更に進行方向が明るく陽光に照らされているのが、好印象の要因なのでしょう。何処からかバカラックのPOPソングが流れてきそうです。
自分の若かった頃の不完全すぎる思考だったり、未熟ゆえのジレンマだったりも思い浮かびますね。未来は光と闇に満ちあふれていた。

Canon EOS Adobe CS DE ROSA Titanio, Columbus Hyperion tubing / Campagnolo Record 10s / Shamal 12-HPW Titanium
 
 
( Oct.16
D-004
2012:)
 
Moser GANZARD
■ Moser Ganzard / 欺きの果てに ■
粒状性の荒いフィルムのストックは、後どれくらい此処にあるだろうか…。今では、掛替えのない一瞬との遭遇にすら罪悪感に苛まれる。
時代考証を念頭に置かず組上げられたこのモゼールではありますが、このようなヴィンテージ写真風の加工を施すと流石に限界を感じるというか、ミスマッチ感は否めなくなってしまうようです。とくに、Ventoのリムに刻まれたCAMPAGNOLOのタイポグラフィのガサツ加減は如何ともし難いといったところで、Moserのステンシル技法による繊細なタイプフェイスを冒涜しているかのようです。
単色変換する以前の画像では、木影によって浮び上がるグラデーションの階調に不思議なヌメリ感があって不気味なカンジです。

Canon EOS Adobe CS Moser Ganzard, Columbus ALLEE tubing / Campagnolo Veloce & Centur / VENTO G3
 
 
( Oct.20
D-005
2012:)
 
DE ROSA Giro d'Italia
■ DE ROSA Giro d'Italia / あの時の誓いは今何処に ■
風が吹くとまだ少し肌寒いね…。待ち合わせに遅れたボクを非難するわけでもなく、早朝の静けさをこわさないように君は優しく囁いた。
う〜ん、やはり抜けのある画像は必要そうですね、視覚神経がどうしてもそれを要求するようです、スコ〜ンての。見るもの全ては対比によって成り立っているので、これは止むを得ない宿命なのでしょう。自分はその対比をあやつり、密度の変化を設定し構成することでヴィジュアルを生み出しているのです。視覚神経に入力する受信者が、少しでも心地よいリズムを感じられるように…。
何かの物語みたいですが、光ある所に闇がある…のように、ローキー&ハイキーな画像を適度に織り交ぜながらの掲載が理想です。

Canon EOS Adobe CS DE ROSA Giro d'Italia, Columbus BRAIN tubing / Campagnolo Chorus 9s / Shamal 12HPW titanium
 
 
( Oct.20
D-006
2012:)
 
bottecchia riser
■ Bottecchia Equipe nero / 隠せない心音 ■
君への贈り物を探しに、普段は訪れることのない隣町のブティック街までペダルを回してみた。飛ばし過ぎてはいないけど鼓動が少し激しい。
よく見るとチープなエクステリアなのですが、浮かび上がる影のシルエットはちょっと雰囲気があるようですね。イタリアン・スティール然としたこの自転車特有の質感と、若干歪みのあるラフな仕上げの床面とも相まって、なんだかヨーロッパの街角のような気がしてしまいます。その印象を後押しするべく、画像にはノイズを挿入したりソフトにほんのりボカシたりとPC上で手を加えています。
バックに使用している千鳥格子も欧風ですね。起源は英国なのですが、無彩色で使用するとフレンチテイストのような気がします。

NEC N-08A Adobe CS Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Corsa Record & Record 8s / NUCLEON
 
 
( Dec.09
D-007
2012:)
 
derosa king
■ DE ROSA King / 地中に煌めく星々のごとく ■
地面には天空のヨゾラが見透かすように瞬き、天上には湖面のミナモが見守るように煌めく。狭間にいるボクは無限ループの思考へと迷い込む。
この画像の有する不思議感は、単色変換を施すことでより一層磨きが掛かると同時に、わずかに残されていたリアリティすら簡単に手放してしまったようです。あまりにも非現実的な天地逆転イメージに、まるでPhotoshop合成した画像のように見えてしまい、撮影した当の本人すらシャッターを押した実感を思い出せなくなっている始末なのです。たしか、最後に押さえで撮ったカットだったような…。
主役の自転車のテイストがこの世界観にソグワナイのがちょっと残念。いっそのこと本当に合成してしまいたいと思うほどです。

Canon EOS Adobe CS DE ROSA King, Mizuno CARBON tubing / Campagnolo Record 10s / Bora
 
 
( Jan.08
D-008
2013:)
 
Moser GANZARD
■ Moser Ganzard / Winter in the Park ■
真冬のこの場所が一番好きだなぁ、凛とした静けさの香りを身にまとうと汚れた魂の表皮がやがて剥がれ落ちてゆく。カフェオレで暖まろう。
繊細なニュアンスで壁に刻まれたテクスチュアは、時の経過だけが描き出せる特別な優しさに満たされているようで、ほっこりとした気分にさせてくれます。もともとのいびつさ加減と相まって、ほんのりと欧風の仕上がり感が得られました。返す返すも残念なのは、年代をまったく考慮していないパーツアッセンブル…といったところでしょうか。手持ちのオールドパーツに換装してあげようかなぁ。
これほどお気楽でそこそこの性能を発揮してくれる自転車はなかなか巡り会えなくて、実走派としてはチョット悩んでしまいます。

Canon EOS Adobe CS Moser Ganzard, Columbus ALLEE tubing / Campagnolo Veloce & Centur / VENTO G3
 
 
( Feb.09
D-009
2013:)
 
DE ROSA Titanio
■ DE ROSA Titanio / Pigeon's Blood ■
赤い瞳について想いを巡らせていると、いつしかNat King ColeのFly Me To The Moonが流れていた。視界の端でLilithが回りはじめる。
ある種の舞台装置として用意された書き割りのごとく、説明的に混入されたエレメントによって生じる賑やかな画面構成。どうにも散漫なのでRGB画像ではチョットお見せし辛い写真です。ところが単色にした途端、不思議と画面全体から物語性が漂い始めてきて、つい出来心で鳩の目を血液色のまま残してしまいました。鳩の目は元々赤く、彩度を上げるだけで鮮やかな赤へと定着されました。
羽音が聞こえたので、飛来を察知しタイミングを合わせて撮影してみました。自分では配置しないであろうこのレイアウトに、拍手。

Canon EOS Adobe CS DE ROSA Titanio, Columbus Hyperion tubing / Campagnolo Record 10s / Shamal 12-HPW Titanium
 
 
( Feb.16
D-010
2013:)
 
bottecchia riser
■ Bottecchia Equipe nero / ひとつの到達点 ■
なんだろう?ストーリーなんて無くてもいいんじゃないかな。そこに心地良い空気や陽光が存在していたという事実、証さえ残せれば…。
モノクロ写真に殆ど興味のないボクでしたが、それでもここまで幾枚かの自転車画像をRGBから単色へと変換してきました。単にモード変換や彩度を下げてモノクロ化しているのではなく、それ相応のテクニックを用いて創作しながらモノクロへと仕上げています。そのプロセスを経ることは、自分の抱いている白黒写真への愛情を多少なりとも深めるためにも、必要不可欠な行為だと考えています。
今回モノクロ化したこの画像、興味すら希薄だった自分にとっては“それなり”に納得できる白黒写真に仕上がったと思います。

Canon EOS Adobe CS Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Corsa Record & Record 8s / NUCLEON
 
 
( Feb.17
D-011
2013:)
 
DE ROSA Titanio
■ DE ROSA Titanio / Biciclette come Cavallette ■
触角の如く突き出されたアップハンドルと、水平に伸びるトップチューブによるものか、コイツの形はどこか“バッタ"の類いを彷彿とさせる。
モノクロ表現での“影”というのは不思議なもので、鮮やかさを失った部分とは対象的に存在の現実感が加算されるようです。この画面ではハンドルバーの有機的なラインが、投影された影によってまるで2つのアングルから同時に目視しているかのように感じられます。写真によるキュビズム作品創作のヒントは、あるいはこのような同時存在の視覚表現の中に垣間見えたのかもしれませんね。
ゆっくりではありますが、でも確実にこの写真が好きになってきています。何故か自分にはその理由が良くわかりません。

Canon EOS Adobe CS DE ROSA Titanio, Columbus Hyperion tubing / Campagnolo Record 10s / Shamal 12-HPW Titanium
 
 
( Feb.23
D-012
2013:)
 
bottecchia riser
■ Bottecchia Equipe nero / カルトンの重さと木炭紙の匂い ■
絵を描くのは随分と昔にやめてしまった。それでも当時通ったアトリエの張りつめた空気感や、どこか気高いあの匂いは一生忘れないと思う。
大事なダイジな10代の終わりの頃、ボクは自分の持てるエネルギーの大部分を費やしてデッサンを描き続けました。水張り画用紙にSTAEDTLERを用いて何枚もナンマイも…。様々なテクニックを習得したはずなのですが、今では殆ど思い出せません。しかしその時着実に養われた観察力や構成力、そして完成へと突き進む集中力は、決して忘れること無く強烈に刻み込まれているようです。
木炭デッサンをイメージして簡単なPhotoshop加工により仕上げました。木炭紙では20枚も描いてないんですけどね。

Canon EOS Adobe CS Bottecchia Equipe, Columbus SLX tubing / Campagnolo Corsa Record & Record 8s
 
 
( Mar.31
D-013
2013:)
 
DE ROSA Titanio
■ DE ROSA Titanio / 集中、そして拡散 ■
朽ちた落葉が生まれたばかりの新緑に勢い呑込まれてゆく。ちからを取り戻した春の日差しは直接地面に生命を注ぎ込んでいるに違いない。
色彩のない画面での新緑表現はとても難しいですね。覆い尽くすほどではありませんが、この写真の地面をRGBで目視すれば万人が春の訪れを感じ得ることと思います。まだまだ未熟だなぁ。主役のモチーフが斜陽によって得られた樹木の影法師であるのも、この画像がほんのり秋冬シーンをイメージさせている要因でなのしょう。モノクロ写真は色彩に完全支配された脳味噌には本当に難しいです。
現実生活を切取った3D的表現と商業意識を反映した2D的表現を混在させる構成は、ファッション写真で多用する手法です。

DP2 Merrill Adobe CS DE ROSA Titanio, Columbus Hyperion tubing / Campagnolo Record 10s / Shamal 12-HPW Titanium
 
 
( Apr.21
D-014
2013:)
 
Moser GANZARD
■ Moser Ganzard / あたらしい芝生の匂い、たちのぼる ■
箱庭のようなみどりの空間に、ここちよくて可愛い木影を発見する。My Favorite Things... お気に入りの自転車と一緒に閉じ込めてみた。
芝生に投影される木影とスタッガート自転車に主題を絞り、より効果的なレイアウトに仕上げるため、シャッターを切るその瞬間はある程度のトリミングを施すつもりでした。ところがMacで作業中にモノクロに変換してみると、全くその必要がないコトに気がつきました。たとえ余計なモノが写り込んでいても許されるようなのです。むしろ画面に現実感が漂い遥かに魅力的に感じられました。
白黒写真は“空気を写し撮る"と表現されたりします。色彩が欠けているぶんリアリティの探求が要となるのでしょう。

DP2 Merrill Adobe CS Moser Ganzard, Columbus ALLEE tubing / Campagnolo Veloce & Centur / VENTO G3
 
 
( Apr.21
D-015
2013:)
 
Moser GANZARD
■ Moser Ganzard / 歩道橋、ふと立ち止まり考えてみる ■
そこを左に曲がれば別の可能性が広がっていたのかもしれない。だけどその道を選ぶことはできなかった。今、立ち止まって足元を確かめる。
撮影者のボクが何度繰り返し見渡してみても、この写真の空気感はすっかり昭和のテイストに支配されている気がします。かろうじてG3に完組みされているVentoホイールだけが、古い写真ではないと主張しています。う〜ん、なんだかその場の空気感がそれなりに写り込んでくれたみたいで、撮影意図を反映した画像に仕上がったと思います。こんな写真をもっと撮れればいんだけどな…。
現代建築の施行ではチョットあり得ないこのフェンスの歪み具合、明るく柔らかな陽光と相まって“やさしさ”を感じます。

Canon EOS Adobe CS Moser Ganzard, Columbus ALLEE tubing / Campagnolo Veloce & Centur / VENTO G3
 
 
( Apr.21
D-016
2013:)
















 
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